シリーズ9【お金の管理や支払いが心配な方へ】
グループホームに住んでみたいけれど、「ちゃんとお金の管理ができるか不安…」「家賃や食費の支払いが心配…」という声をよく聞きます。
たしかに、生活をするうえで「お金」はとても大切。ですが、グループホームでは、そうした不安を一人で抱え込む必要はありません。
世話人や行政の仕組みが、あなたの暮らしをしっかりサポートしてくれます。

グループホームの費用ってどんなもの?
まず、グループホームでかかる主な費用を整理してみましょう。
● 家賃
● 光熱費(水道・電気・ガス)
● 食費
● 日用品やおこづかい
サービス利用料(基本的には国や自治体が負担)
これらのうち、家賃や食費、光熱費などは自己負担となりますが、自治体によっては家賃補助制度があり、負担を減らすことができます。
また、障害福祉サービスとして提供される「共同生活援助(グループホーム)」の支援費用は、
原則として9割以上が公費(国・自治体)負担です。ですから、「すごく高そう…」と心配される方も、実際には手の届く範囲で利用できることが多いのです。
お金の管理が苦手でも大丈夫
「つい使いすぎてしまう」「通帳の管理がむずかしい」など、お金の管理が不安な方も多いと思います。
グループホームでは、そんな方に向けてお金のサポートも行っています。
たとえば――
・ 世話人が一緒に家計簿をつける
・ 生活費を週ごとに分けて管理する
・ 必要に応じて通帳や印鑑を事業所で保管
など、あなたのペースに合わせて、安心できる形でお金の流れをサポートしてくれます。
また、「日常生活自立支援事業」や「成年後見制度」を利用すれば、行政や専門の支援者がお金の使い方や契約などをサポートしてくれる仕組みもあります。
「親がいなくなったらどうしよう」「将来のことが不安」という方も、こうした制度を活用すれば、安心して生活を続けることができます。
● 支払いはどうすればいいの?
グループホームの支払いは、ホームによって異なりますが、主に次のような方法があります。
・口座引き落とし
・現金での支払い
・世話人と一緒に振り込み
世話人が一緒に確認してくれるホームも多く、「支払い忘れ」などの心配も少なくなります。
また、障害年金や工賃などの収入に合わせて、無理のない支払いスケジュールを立ててくれる場合もあります。
初めのうちは慣れないことも多いですが、少しずつ覚えていけば大丈夫。生活の中で、自然とお金の扱い方にも慣れていく人がたくさんいます
「できない」ではなく、「一緒に考える」
お金のことは、どうしても「自分でできないとダメ」と思ってしまいがちです。
でも、グループホームでは「できないことを責める場所」ではなく、「一緒に考えて、できるようにしていく場所」です。
世話人は、あなたが自分らしく暮らすためのパートナー。
お金の使い方に限らず、「将来どう暮らしたいか」「どんな生活を目指したいか」を一緒に考えてくれます。
● まずは相談してみよう
もし「お金のことが心配で、なかなか一歩が踏み出せない」という方は、グループホームや相談支援事業所に気軽に相談してみましょう。
あなたの収入状況や支援の必要度に合わせて、最適な制度や支援方法を案内してもらえます。
グループホームでの生活は、「すべてを一人でやる」生活ではありません。
必要な部分は支援を受けながら、自分でできることを少しずつ増やしていく暮らしです。
お金の管理に不安があっても、それは多くの人が通る自然なこと。サポートを受けながら、あなたに合ったペースで安心して暮らせます。
「お金の心配があるから…」と諦めるのではなく、
お金のことも相談できる場所があると思って、一歩踏み出してみてください。
グループホームは、あなたの「安心して暮らしたい」という想いを支える場所です。