コンシェルジュに相談する コンシェルジュに相談する

35歳からの自閉症スペクトラム ~いつからだって、変えられる~

初めまして、Yと申します。
 今回「私の体験談」として、このコラムを書かせていただきます。
「発達障害」の診断を受け、就労継続支援A型事業所での就労に至るまでに考えた事をお伝えしたいと思います。

35歳で初めて精神科を受診

 私が精神科を受診したのは、35歳の時でした。
 それまでも「あなたは発達障害者ではないか」というご指摘を、様々な方から合計数回ほど頂きましたが、どうしてもその診断を頂くための、精神科・神経科を受診する気にはなれませんでした。
 と言うのも、「精神科・神経科」に勝手に抱いていたイメージとして、「様々な薬を必ず処方され、今後は半永久的に服薬が必要となる。更には性格そのものまで変わってしまう事がある」というものがあったからです。

 ですが両親に強く促されて、近くの精神科を受診する事になりました。
 その結果、私は「発達障害、自閉症スペクトラム」という診断を受けるに至りました。

 それにより、今まで対人関係がうまくいかない事の様々な理由が納得いきました。
 例として、『言われた事をそのまま受け取り、「本音と建前」「皮肉」というものがよくわからない』という事がありました。その結果、無用のトラブルを招く事がよくありました。
 また、『特定の音に敏感である』という事もありました。そのため、そうした音の中ではとても落ち着かず、その結果トラブルを招いたり、いじめやからかいの対象となったりもしました。
 ですが、それを含めた様々な事も「発達障害」の特性であるという事で、納得がいきました。

発達障害者として、どこでどう働くべきか?

 次に「発達障害者として、どこでどう働くべきか?」という問題が起こりました。
 と言いますのも、「発達障害」という診断を受けて、就労するにあたり選択肢が発生したからです。それは、
・就労にあたって、「発達障害」という診断を隠すか、公開するか
という点です。

 当時の私は、『「発達障害」という診断を隠す』という選択肢は考えませんでした。
と言いますのも、それまで「発達障害」である事を知らないがゆえに、様々なトラブルや失敗に見舞われていたため、極度の自信喪失状態にあったからです。
 よって、「発達障害」という診断を隠して(ない事にして)就労するという自信が、そもそもありませんでした。

 そこで、「発達障害者」である事を受け入れていただける職場を探す事にしました。
 その結果見つけたのが「就労継続支援A型事業所(以降「就A」)」という選択です。

いつからだって、勇気を出して一歩踏み出せば、変えられる

 そして、様々な就Aの見学を経て、今の就労継続支援事業所にたどり着きました。
 就Aの皆様に支えられ、私は失われた自信を取り戻しつつあります。

 「極度の自信喪失状態にあった私が、就Aにて就労を続けられるようになった」私の体験で得た教訓として、
 「勇気を出して一歩踏み出せば、変えられる」
という事をお伝えしたいです。

 もしあの時
・勇気を出して、精神科へ行き「発達障害」という診断を頂かなかったら、
・勇気を出して、就Aを訪れなかったら、
今も何も変わらず、自信を完全に失ったままであったと思っているからです。

 次回は、就Aでの仕事を通して、どうやって自信を取り戻しつつあるのかをお伝えしたいと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

グルホネット編集部
グルホネットのコラム、取材記事といったコンテンツ作成を担当しています。就労継続支援A型に勤務されている利用者さんといっしょに作成しています。