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障がい者グループホームの入居者は就労が必須ではない⁉~就労以外の選択肢~

グループホームにおける就労と多様な日中活動

障がい者グループホームは、主に夜間の生活支援を提供する場所であり、入居者の日中の活動は別の場所で過ごす方が多いですが、そのニーズも多様に変化しています。

住まいとしての利用されているグループホ―ムなので、日中活動をするかしないかは利用者の自由で、必ずしも日中活動をしなければいけないわけではありませんが、日中活動をしない前提だと、受け入れ先のグループホームの選択肢は少なくなります。

しかし、就労の事業所が廃業したり、事業所が合わなくて新しい事業所を探している、病気を患ってしまって就労が難しいなど、様々な事情で一時的または継続的に(就労)日中活動できない状況になってしまうこともあるでしょう。

これらのことからも、就労以外の日中活動ができる場所や選択肢はより一層必要になってきています。

グループホームが単なる「住まい」ではなく、利用者の自立と社会参加を促進する場としての意義もありますので、事業者側にも多様な日中活動の選択肢を用意し、個別のニーズに対応していくことが求められています。行政や地域社会との連携を深めながら、様々な選択肢を持っているグループホームもありますので、気になった方は是非、グループホームの管理者や相談支援事業所に相談してみてはいかがでしょうか。

グループホーム入居者の就労状況

令和3年度の全国グループホーム統計調査によると、回答のあった1,329事業所・5,176ホーム・27,527人の入居者のうち、一般就労している人は4,138 人(15.0%)でした。
また、就労継続支援A・B型事業所、就労移行支援事業所を利用している人は11,319人(41.1%)となっています。

これらの数字から、グループホーム入居者の中で5.5割以上の方が、就労に関する活動をしており、4割以上の人が就労以外の日中活動を行っていることがわかります。

就労以外の日常活動の選択肢

それでは、就労以外の日中活動にはどんなものがあるのかについて深堀したいと思います。
グループホーム入居者の就労以外の日中の活動としては、以下のような選択肢があります。

・生活介護事業所の利用 10,791人(39.2%)
・地域活動支援センターの利用   427人 (1.6%)
・グループホームのみ(日中活動無し)の利用 878人(3.2%)


特に重度の障がいのある人や高齢の利用者にとっては、就労よりも日々の活動の充実が重要になります。

また、生活介護事業所以外の選択肢は地方自治体によってかなり差もあり、お住まいの地域によって選択肢の幅も内容もばらつきがあります。

​​​​​​​生活介護事業所とは

就労系の事業所の次に割合の多い生活介護では、常時介護を必要とする障がい者の方に、主に昼間に入浴、排せつ、食事等の介護や、創作的活動・生産活動の機会を提供するサービスです。事業所では、利用者一人ひとりの障がいの程度や特性に応じた支援計画を作成し、専門スタッフによるきめ細やかな支援を行います。

日常生活上の支援だけでなく、社会との交流や余暇活動なども大切にしながら、利用者の方の自立と社会参加を促進することを目的としています。安心して楽しく過ごせる場所として、障がい者の方の豊かな生活を支えてくれる場所です。

地域活動支援センターとは

福祉事業以外の選択肢としては、社会福祉協議会が運営している地域活動支援センターがあります。ここでは、就労や生活支援に限定せず、創作的活動や生産活動、社会との交流の機会を提供しています。

具体的には以下のような活動を行っています。
・手工芸品などの制作や販売
・音楽活動、運動、趣味の活動などのレクリエーション
・地域のイベントへの参加
・日常生活の困りごとに関する相談対応
・職業訓練
・就労移行支援事業所などの関係機関と連携した就労支援
・生活リズム、コミュニケーションスキル、生活スキルの習得支援
・調理実習などの生活訓練

 

まとめ

就労するにしろ、就労以外の日中活動をするにしろ、様々な選択肢がありますが、どんな選択肢があるのかは、動いてみないと分からないことも多いです。

「こんな活動がしたい」「○○に興味がある」といった具体的な希望や目標があるのであれば、ぜひ近くの相談支援員さんに相談してみたり、お住まいの市区町村が発行する広報誌や、自宅に届く社会福祉協議会からのお知らせなどに目を通してみてください。

障がい者グループホームの利用者には、就労以外にも、利用者の希望や特性に合わせて、多様な日中活動を選択することができます。その人らしい暮らしが可能なのです。

今後より一層、障がい者の自立と社会参加を支える場として障がい者グループホームが機能していくためには、就労支援の強化とともに、日中の活動の選択肢を広げていくことが重要だと言われています。新たな選択肢がもっと出てくるかもしれませんね!

ご質問はお問い合わせから、ドシドシお待ちしております!!

グルホネット編集部
グルホネットのコラム、取材記事といったコンテンツ作成を担当しています。就労継続支援A型に勤務されている利用者さんといっしょに作成しています。