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35歳からの自閉症スペクトラム ~コミュニケーションの苦手意識を克服~

 初めての方は初めまして、Yと申します。
 「私の体験談」として、前回に続いてこのコラムを書かせていただきます。
 今回は就労継続支援A型事業所(以降「就A」)での就労に伴う様々な体験談2です。
 そのため今回のお話は、前回の続き、予告の通り「コミュニケーション」について述べさせていただきたいと思います。

 就Aの就労開始時点では、私は極度の自信喪失状態だったことは前回で述べましたが、特にコミュニケーションに対しては、これまでの様々な失敗から極度の苦手意識を抱えていました。
 ですがコミュニケーションも、いざ「やらなければならない」状態に置かれれば、「嫌でもやってみる」ようになるものです。その結果様々な事を学び、徐々に自信を取り戻していきました。

 そうした体験談とそこから学んだ事を、ここで述べたいと思います。
 

失敗経験で、極度に苦手と感じた「コミュニケーション」

 体験談を話す前に、就Aにて就労を始める前の話を、簡単に述べたいと思います。

 私は発達障害という事もあってか、学生時代から他人と違った所がたくさんありました。そのため、何かといじめ・からかいの対象となりました。そうした事から、学生の頃から他人とのコミュニケーションに苦手意識を感じ、必要がないならコミュニケーションを取らないようにしていました。
 更に社会に出た当時、自分は発達障害であるとは全く知らず、さらに学生時代にコミュニケーション経験が乏しい事もあって、他の方とのコミュニケーションがうまくいかない事が多くありました。
 そのためコミュニケーションに対しては、失敗経験が非常に多く、極度の苦手意識を抱えていたのです。
 

実践を重ねることで、意識せずできた「コミュニケーション」

 ですが、就Aにて就労を始め、必要に迫られて他の皆様とのコミュニケーションを重ねていくうちに、気が付くと、仕事の事や必要な事については、コミュニケーションを自然と取れるようになっていました。
 しばらくすると、「雑談でも自然に返したり、自分から関連する話を返したりする事のできる自分」がいる事に気が付きました。
 このように、気が付くと「自分でもコミュニケーションができるのだ」と、最大の苦手意識を持っていたコミュニケーションが、自分からでもできるようになっていました。

 この事から「コミュニケーションは実践が大事。思いやりなど基本的な事に気を付ければ、後は実践し、その結果を受けて、次に活かす事の繰り返し」という事を学びました。

 

「コミュニケーション」も「勇気を出して」

 「当たり前の事ではないか」と思われるかもしれませんが、私は実践を避け続けていたからこそ、この事に今まで気づく事ができなかったのだと思います。苦手意識を持って実践を避け続けていたら、今も何もできないままだった事でしょう。
 こちらも「勇気を出して一歩踏み出せば、変えられる」という実例でもあると思います。

 今でも就Aにおいて、「勇気を出して」様々なコミュニケーションを行い、どうすればより良いコミュニケーションを取れるようになるのかを、自分の障害特性を考えながら模索しています。

 この一連の体験談で学んだ事は、
 『コミュニケーションも、いざ「やらなければならない」状態に置かれれば、「嫌でもやってみる」ようになる、その結果様々な事を学ぶ』
という事です。

 今回の体験談は以上です。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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グルホネット編集部
グルホネットのコラム、取材記事といったコンテンツ作成を担当しています。就労継続支援A型に勤務されている利用者さんといっしょに作成しています。