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障がい者・高齢者グループホームの選び方 その②~サービスや費用の違いを徹底解説~

障がい者用と高齢者用のグループホームの違いを詳しく解説します。法的根拠、サービス内容、施設の規模と構造など、それぞれの特徴を比較しながら、グループホームの役割と重要性を理解できる内容です。65歳を境とした注意点や入居条件についても触れ、グループホーム選びの参考にしていただければと思います!

グループホームは、支援を必要とする人々が地域社会の中で共同生活を送るための居住形態です。日本では主に障がい者向けと高齢者向けの2種類のグループホームが存在し、それぞれ異なる法律に基づいて運営されています。この記事では、障がい者用と高齢者用のグループホームの違いを詳しく解説します。

法的根拠の違い

【障がい者用:障害者総合支援法】

障がい者向けグループホームは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(通称:障害者総合支援法)に基づいて運営されています。この法律は、障がい者の自立と社会参加を支援することを目的としており、グループホームは「共同生活援助」というサービスとして位置づけられています。
障害者総合支援法では、グループホームを以下のように定義しています。

地域で共同生活を営むのに支障のない障がい者に対して、
主として夜間において、
共同生活を営むべき住居において相談、
入浴、排せつまたは食事の介護その他の日常生活上の援助を行うこと

 

【高齢者用:介護保険法】

高齢者向けグループホームは、介護保険法に基づいて運営されています。介護保険法では、このサービスを「認知症対応型共同生活介護」と呼んでいます。この法律は、高齢者の介護を社会全体で支える仕組みを定めており、グループホームはその中の一つのサービスとして位置づけられています。
介護保険法では、グループホームを以下のように定義しています。

要介護者であって認知症であるものについて、
共同生活を営むべき住居において、
入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うこと

サービス内容の違い

【障がい者用グループホーム】

障がい者向けグループホームでは、以下のようなサービスが提供されます。

1.日常生活の支援:食事、入浴、排せつなどの介助
2.金銭管理の支援
3.服薬管理
4.日中活動の支援:就労支援や日中活動先への送迎など
5.相談支援:生活上の悩みや困りごとの相談
6.地域生活への適応支援

障がい者向けグループホームでは、入居者の自立を促進することが重要な目標となります。そのため、個々の能力や状況に応じて、できる限り自分で生活を管理できるよう支援が行われます。

【高齢者用グループホーム】

高齢者向けグループホームでは、認知症の方の特性を考慮した以下のようなサービスが提供されます。

1.日常生活の支援:食事、入浴、排せつなどの介助
2.認知症ケア:認知症の進行を緩やかにするための支援
3.生活リハビリテーション:日常生活動作の維持・改善
4.健康管理:服薬管理、体調チェックなど
5.レクリエーション活動:認知機能の維持・向上を目的とした活動
6.家族との連携:家族への状況報告や相談対応

高齢者向けグループホームでは、認知症の進行を緩やかにし、できる限り現在の能力を維持することが重要な目標となります。そのため、なじみの環境で安心して生活できるよう配慮されています。

施設の規模と構造

【障がい者用グループホーム】

障がい者向けグループホームの規模は、以下のように定められています。

・事業所を初めて立ち上げる場合は、定員4名以上
・一つの共同生活住居の入居定員は、原則として2人以上10人以下
・複数のユニットを設置する場合、一つの建物に入居できる人数は20人以下

障がい者向けグループホームは、アパートやマンション、一軒家などを利用して設置されることが多く、できる限り一般の住宅に近い環境を提供することが求められています。

【高齢者用グループホーム】

高齢者向けグループホームの規模は、以下のように定められています。

・1ユニットの入居定員は5人以上9人以下
・1施設あたり原則として1ユニットまたは2ユニット
・3ユニット以上の設置は地域の実情に応じて適切に判断

高齢者向けグループホームは、できる限り家庭的な雰囲気を維持するため、小規模な単位で運営されています。各ユニットには、リビングやキッチン、浴室などの共用スペースが設けられ、入居者が協力して生活を送ることができるよう配慮されています。
 

グループホームの費用構造

グループホームの費用は、主に「初期費用」と「月額費用」に分けられます。これらの費用は、障がい者用と高齢者用でかなり違いがあります。詳しく見ていきましょう。

初期費用から月額費用、サービス利用料、どれをとっても高齢者グループホームの方が高くなる傾向があります。

特に、サービス費用での差が大きく高齢者グループホームは、より複雑で手厚い介護サービスを提供するため、費用が高くなりがちです。

具体的には:
・介護保険による介護サービス費が追加される
・要介護度に応じたサービス加算がある
・より専門的な介護スタッフの配置が必要

障がい者グループホームでは、サービス費用は収入に応じて一律で決まっており、サービスの量に応じて利用料が変わることはありません。

詳しくは
グループホームでの費用ってどれぐらい?
障害福祉サービスってほとんどの人が無料ってホント?
でも詳しく紹介しています。

費用軽減のための制度

【障がい者用グループホーム】

・障害者総合支援法に基づく各種給付
・家賃助成制度(自治体により異なる)

【高齢者用グループホーム】

・高額介護サービス費制度
・特定入所者介護サービス費(補足給付)
・自治体独自の助成制度(地域により異なる)

グループホームの費用は、障がい者用と高齢者用で大きく異なることがわかりいただけたかと思います。障がい者用グループホームは比較的低コストで利用できる一方、高齢者用グループホームは費用が高くなる傾向があります。ただし、どちらも様々な制度を利用することで、実際の負担額を軽減できる可能性があります。

施設選びの際は、初期費用と月額費用の内訳を詳細に確認し、長期的な視点で費用を計算することが重要です。また、利用可能な補助制度についても、自治体や施設に問い合わせて情報を得ることをおすすめします。

グルホネット編集部
グルホネットのコラム、取材記事といったコンテンツ作成を担当しています。就労継続支援A型に勤務されている利用者さんといっしょに作成しています。